2007年05月24日

お登勢リンクインデックス/タイトルリンク

お登勢・・・1 (2006-11-11 15:22:34)
夜中にひいぃと切れ上がった女の声が聞こえた気がして お芳は布団の上に起き上がった。 気のせいだったのだろうか?と、思うより先に 二つ向こうのお登勢の部屋あたりの襖が やや、荒げにあわてて開け放たれ 廊...
お登勢・・・2 (2006-11-11 15:21:24)
昨日のことがまだ、 癪に障ると朝からぶつぶつ独り言を繰り出しながら お芳がおきてみれば、 剛三郎はさっさと、おきぬけ、 庭に降り立って 鉢植え手入れをしている。 「おまえさんったら、あいかわらずだね...
お登勢・・・3 (2006-11-11 15:20:00)
「それがね・・・」 と、先に見せた怒っているかのごとく切り口上が瞬時に崩れて、 お芳が不安気に口ごもる。 「なんだね?きになるじゃないか?」 腰にぶら下げたラオの煙管に手をのばしだす剛三郎である。 そ...
お登勢・・・4 (2006-11-11 15:18:26)
「お登勢の事を話そうと思うと 何から話していいか、自分でもこんぐらがっていて・・」 迷い口の歯切れの悪さを気になさるなと押すように男が言う。 「女将さんの思うところから はなしていってください」 出て...
お登勢・・・5 (2006-11-11 15:16:53)
だが、 お芳は剛三郎の考えすぎだと笑い出す。 「だってね。 そりゃあ、あたしもそう思ったよ。 でも、むこうがいうのには、 どこかの大店の若旦那がお登勢を見初めて この話をまとめてくれって、で、ひと肌ぬ...
お登勢・・・6 (2006-11-11 15:15:32)
「若頭。俺は若頭が何を言いたいのか、 さっぱり、判らない。 その上だから、さっきからこっちにたずねる事に なんで、答えなきゃ判らない。 わざわざ、呼び出して お登勢が話したか? 俺が何処までしってるか...
お登勢・・・7 (2006-11-11 15:13:52)
お登勢の戸惑いが決心に変わるまで晋太は、お登勢を黙って見つめていた。が、お芳は、お登勢が少しでも喋りやすかろうと考えるか、すまなさそうなお登勢の口を割らせるをさけて、やりたがるか、当て推量をつづけてい...
お登勢・・・8 (2006-11-11 15:12:28)
お登勢の朝は早い。大森屋は朝飯から、顧客を得ている。陽が登りきらないうちから床を抜け出し晋太の朝食を作りあげるとお登勢は暗闇の中を走り出してゆく。大森屋の賄い場にはいれば、大きな釜に味噌汁がつくられ、...
お登勢・・・9 (2006-11-11 15:10:54)
耳を塞いでお芳は逃げた。逃げる足がもつれ、お芳を呼ぶお登勢の声がお芳をひっつかむ。『堪忍しておくれ・・あたしだって・・どんなに苦しいか・・』立ち止まった足は歩を進めることを許さずお芳はその場にしゃがみ...
お登勢・終 (2006-11-11 15:09:42)
雨はふった。木蔦屋夫婦の土壌も固まることであろう。なんのきがかりも無くなったお登勢はと、いえば、今日も朝早くから脱兎のごとく家を飛び出し大森屋のてつないにはせ参じている。あいもかわらず、徳治がお登勢を...
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